.

茨城県日立市--耐酸性無収縮モルタルを使用した施工例

【施工日=平成23(2011)年9月26日】 【経過観察日=令和5(2023)年9月20日
  
人孔内の硫化水素濃度が高い為、鉄蓋の腐食が進行。蝶番部品も脱落。
受枠の腐食状況。
作業前に送風機にて換気を開始。
ガス検知器にて、硫化水素及び酸素濃度の測定をし、安全を確認。
測定中のガス導入管の状況。
センター冶具を設置。
φ1200で切断開始。
切断が完了。
斫り作業中。
人孔上部が露出。
調整リングを仮置きし、アンカー孔の削孔を行う。写真のビットはサンコーテクノ製キュージンドリル。 (現在生産中止)
後施工アンカーの設置。
アンカーボルト及び調整リングの設置。その後、調整コマにて高さを合わせ受枠を設置。
2011年、全国初の実戦投入となる
「ネオフィット耐酸エマルジョン」
モルタルを耐酸性とすることで、硫化水素に対する耐性を高め、高さ調整部を長寿命化。

 

「ネオフィット耐酸エマルジョン」と「水」を規定量準備。
通常のパラボラ工法の手順と違い、一度受枠外周に外枠を設置し、高さ調整部のみを耐酸性ネオフィットで硬化させる。

耐酸性ネオフィットは水だけで練ったネオフィットより流動性が高い為、リングボルトの孔は事前に埋めておくなどの処置が必要。

外枠を外した路盤部分は腐食環境と隔離されているため、通常のネオフィットを充填する。
メッシュ筋の設置状況。
アパッチアスファルト(加熱合材)を表層材に選定。
完成。
鉄蓋は防食塗装鉄蓋
長島鋳物劾ACSを使用。

左の画像をクリックすると、PDF形式カタログを御覧になれます。

これより施工後12年経過となる
2023年9月20日現在の状況です。


【表層材】
  アパッチアスファルト
【鉄蓋表面】
  表面黒色塗装が薄くなり、下地の
  金属溶射が透けて目視可能。

【状況判定】良好

  
【鉄蓋裏面】若干の錆の発生有り
【受枠全体】若干の錆の発生有り
【ロック部品】ステンレス素材と鋳物素材の電位差から錆が発生している。浮上防止用の爪に腐食が見られる。

【状況判定】概ね良好だがロック部品の交換が望ましい。

  
【蓋蝶番部品】
  揺動部に若干の錆の発生有り
【受枠蝶番受け】
  蓋接続部に若干の錆の発生有り

【状況判定】概ね良好

  
【テーパー部】
  ロック部品で発生した錆が蓋・枠の
  テーパー部に廻っているが金属溶射
  下地により本体への影響はない。

【状況判定】
  現地にて錆をふき取り水分を飛ばし
  た後の再塗装が望ましい。

  
【耐酸性モルタルを用いた高さ調整部】
  硫化水素ガスの影響か
  変色はあるが腐食減肉は全くない。

【新設調整リング】
  硫化水素による腐食の進行が
  見られる。

【状況判定】
  耐酸性モルタルの有効性を確認。

  
【耐酸性モルタルを用いた高さ調整部】
  硫化水素ガスの影響か
  変色はあるが腐食減肉は全くない。

【新設調整リング】
  硫化水素による腐食の進行が
  見られる。

【状況判定】
  耐酸性モルタルの有効性を確認。


<< 前のページに戻る

CONTENT MENU